医療分野への参入が、成長へのターニングポイントとなる
そもそも、TSグループはどのような経緯で設立に至ったのか。創業者としての竹之下氏に聞いてみた。
「実は、TSグループの中核企業であるTS工建を立ち上げる前に、大手人材派遣会社で働いていました。入社3年で西日本の統括次長と関西の統括責任者を兼務するなど、昇進は早かったものの、その会社の社員に対する扱い方が余りにもひどかったんです。とにかく、売上目標に対するプレッシャーが凄くて、社員がどんどん離職していきました。
『ここに居ても自分が思い描く組織づくりができない。施工管理の派遣ビジネスならノウハウもあるので、今度は自分でやってみたい』と思ったのが起業のきっかけです。社員がしっかりと前を向いて仕事をし、成果を出せるような『社員を大切にする』という考えには程遠い環境でしたが、『売上にコミットする』という強い姿勢は叩き込まれました。今は数字ありきではないものの、社員には最後の最後まで頑張り抜くことが大切であると説いています」
2004年の設立以降の成長ぶりは、様々なメディアで取り上げられているのでご存知の方も多いのではないだろうか。2011年から毎年140%以上の成長率を維持し、6年後の2016年にはその10倍の100億を達成、2017年の今季は140億の売り上げという成長なのだから、圧倒的なスピード感と言わざるを得ない。そんなTSグループにとって、ターニングポイントとなった出来事があったのかが気になる。
「やはり、医療分野に参入できたことです。やろうと決めたのは、2005年末。2006年に一旦はサービスを立ち上げたものの、建設業界向けのビジネスが軌道に乗っていたので本腰は入れていませんでした。リーマンショックで弾けて、売上が大幅にダウンしてしまい、意を決し建設から医療に本格的にシフトしたんです。恐らく、建設一本であればここまで業容を拡大することはできなかったはずです」と竹之下氏は振り返る。
業界No.1の実現は至上命題。海外展開にも着手
TSグループは、今や売上高で200億、300億が視野に入るようになってきた。この勢いで行けば、数年後には500億も突破できるのではという予感すらする。今後、どのようなビジョンのもとにさらなる成長を目指していくのか注目される。
「これから当グループは第二創業期を迎えます。まずは、主力事業である医療・介護の事業においては、業界No.1をぜひ実現したいと思っています。また、引き続き新規事業や分社化にも意欲的に取り組んでいくつもりです。第三の柱も構築しなければなりませんからね。さらには、海外展開も進めていきます。ターゲットとしているのは、ベトナムやインドネシア、フィリピンなどの東南アジアです。いずれかに拠点を設け、現地日本企業で働く社員の転職支援や外国人労働者の受入を手掛けていきたいと思い描いています」(竹之下氏)
自由な風土と環境を活かせる、向上心旺盛な人材を期待
それらを実現するためにも、人材の採用・育成が今まで以上に重要になってくるのは間違いない。具体的にどのような人材を求めているのか、そしてTSグループで働く魅力はどこにあるのかも竹之下氏に語ってもらった。
「ポイントは、向上心や協調性があるかどうかです。また、何か起きた時に他責でなく自責で考えられる方であってほしいですね。やりがいは、人によって捉え方が違ってくると思いますが、求職者に響くのは出る杭は引っ張り上げるチャンスの多い会社だということと、人のために本気で働ける場所、感謝される仕事であるということでしょうか。職場環境としては、比較的自由な風土だと言えます。自分のアイデアを発信しやすいですし、会社に対する要望や提案も言いやすいですからね。私自身も、基本的には「No」とは言いません。『取りあえずはやってみたら』とか『頑張ってみて』と言うようにしています。自由と主体性を重んじるTSグループには、自分のアイデアを形にしたり、個々の魅力で本気の勝負ができるチャンスが沢山あります。常にお客様・仲間と挑み続け、新しい未来を切り開いていきましょう。