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仮想通貨を真っ当なビジネスに!ICO事業者向け教育機関を立ち上げるアントン・ザヤトコフスキー氏を取材!

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MicroMoneyは、銀行口座を持たない発展途上国の人たちに少額のローンを提供し、彼らの生活や仕事の質を向上させるマイクロクレジットを提供している会社だ。マイクロファイナンスと呼ばれる金融の分野に分類され、同社は主にアジア地域を中心に展開している。

アントンは2015年にMicroMoneyを立ち上げ、現在50万人の利用者を抱えるまでに成長させた。2017年に仮想通貨市場の盛り上がりを見て、マイクロファイナンスこそ仮想通貨を導入すべき分野だと考えた。
そこで2017年にICOを実施し、MicroMoney社は約10億円の資金を獲得、既存のマイクロクレジットサービスに仮想通貨を取り入れる動きを開始した。

ボグダン氏と出会い、ICOサポート事業発足へ

この過程の中でアントンは重要なビジネスパートナーとなるボグダン・ホメンコ氏と出会う。氏の協力も得てMicroMoneyはICOで大きな成功を収め、方々で話題となった。
時は2017年後半である。多くの事業者がICOを行いたいと考えていたその時期に、アントンたちの成功が見過ごされるはずはなかった。
アントンやボグダンの知り合いは彼らにコンタクトし、ICOをサポートしてほしいと訴えた。始めは5件や10件だった相談は次第に50件、100件を超え、今では400件の依頼を抱えている。

こうしてアントンとボグダンは、ICO事業者のコンサルティング・サポート事業を立ち上げた。
ICO Start:ICOの立ち上げから実行までをサポート
Market Making:トークン上場後の流動性確保をサポート
ICO Legal:ICOにおける法務面をサポート
Listing:取引所へのトークン上場をサポート

2018年1月に立ち上げたばかりのこれらのサービスは、現在400以上の顧客を抱え、ICOをビジネスとして正しく実行することを目的としている。

今日の記事は、そんな仮想通貨市場の健全化を目指すアントンとボグダンへのインタビューである。ベラルーシとオーストラリアの逸材が生み出す仮想通貨市場への新たな挑戦を、じっくりとご覧いただきたい。

アントンとボグダンにインタビュー

anton and bogdan

アントン・ザヤトコフスキー
ベラルーシ生まれ
MERLION社に9年間従事。50億円以上の売り上げを達成
2015年にMicroMoney社を共同設立、現代表
Platinum Listing 共同設立

ボグダン・ホメンコ
オーストラリア生まれ
MLC Australia にてファイナンシャルアドバイザー
元オーストラリア財務省官僚
MicroMoney シニアアドバイザー
Platinum Listing 代表

記者:今日はお時間をいただきありがとうございます。お二人は仮想通貨業界に新たな風を吹き込もうと挑戦されています。
アントンさん、まずはご自身が仮想通貨に関わることになった経緯を教えていただけますか?

アントン:
ありがとうございます。そうですね、私は18歳の時から9年間、携帯電話等の電化製品を売る欧州の大手企業に勤めていて、50名の部下を従えていました。アジアの電化製品を仕入れ、ヨーロッパにて認証を得て販売するというビジネスです。従業員は5,000人以上いる大企業でした。
26歳のときには初めて年収1億円を達成しましたが、同時に仕事に少し飽きてしまい、27歳の頃に会社を辞め、アジアへ渡り、以前から興味をもっていた金融の仕事を始めようと考えたのです。モチベーションを上げるために、それまで稼いだ全てのお金をつぎ込むことにしました。

2015年にアジアに移りました。今もそうですが、当時はベトナムやフィリピン、インドネシアやタイは、金融システムが十分に整っていませんでした。こうした国々では人々が銀行口座を持つのはとても大変で、融資を受けることなんてほぼ不可能です。そこで私は、オンラインでやりとり可能なマイクロファイナンスサービスを始めようと思い、MicroMoney社を立ち上げたのです。少額のローンをブルーカラーの人たち(労働階級の人たち)に提供するというサービスです。
カンボジアやミャンマー、インドネシアといった国々で事業を始めましたが、2017年、仮想通貨の盛り上がりを目にし、自分の事業に取り入れられないかと思うようになりました。
発展途上国では金融システムが整っていないので、モノやサービスのやり取りも必然的に困難になります。あるモノを隣の村の人に売るだけでもお金のやり取りに苦労します。でも仮想通貨であれば、スマートフォンさえあれば誰でも扱うことができ、簡単に送金が行えます。

仮想通貨を一般層へ

anton micro money ceo

仮想通貨は非常に便利な要素を備えていますが、一般層には受け入れられておらず、まだまだギークたちによってのみ使われている状態です。そこで私たちは、仮想通貨を一般層に浸透させることを考えました。
少し話はそれますが、お金の仕組みを考える上で重要な要素として、人に必ず人権が認められるように、お金も必ず個人に帰属しなければなりません。つまり、個人のお金が他の誰かによって管理されていてはいけないのです。ビットコインは、自分が自分の銀行になれるというものです。
私たちの事業の次なるステップは、仮想通貨を導入し、マイクロファイナンスというサービスを充実させる上でそれを血液として活用することだと思いました。

我々は自社のサービスにおいて仮想通貨をメイン通貨として使うことにしました。そうして、MicroMoney社としてICOを行なったのですが、ICOを行う意味は、たしかにお金を得るためですが、もし一般層に仮想通貨を普及させたい、或いは仮想通貨の大きなエコシステムを作りたいと考えるならば、それを行うのに十分な資金を得る必要があります。そのために我々はICOを行い、昨年11月に終えた頃には約1,000万ドルの資金が集まりました。

仮想通貨市場はまだ全人口の1%も参加していない

たしかに今、仮想通貨の相場は下がっています。なぜかと考えると、まだ全人口の1%も仮想通貨を使っていないからです。ですから、仮想通貨の発展においては、一般層への普及が極めて重要になります。もし全人口の10%が仮想通貨を使えば、取引量は飛躍的に増え、相場も安定するでしょう。

ボグダン(通称ダン):

anton and bogdan

マイクロマネーのプラットフォームは、透明性のある金融プラットフォームで、マイクロクレジットを始めとする金融サービスを提供するものです。サービスの中にはビッグデータの提供も含まれていますが、ビッグデータというのは今日の経済において重要なものです。銀行や大企業が、様々な目的においてビッグデータを用いています。例えばグーグルやフェイスブックはビッグデータを広告やマーケティングのために使いますが、データの提供者であるユーザーは何の見返りも得ることができません。私たちMicroMoneyでは、顧客のデータをビッグデータとして企業に販売する代わりに、データを提供してくれた顧客にはリワードとしてトークンを還元します。
また、マイクロマネーでは、ローン利用者を的確にスコアリングするシステムも開発しています。それだけでなく、特にアジア地域は欧米に比べ金融やローンに関する教養が乏しいので、私たちはローン利用者の教育にも力を入れています。私たちはこれを「教育の旅」と呼んでいますが、単にローンの仕組みを教えるだけではなく、お金全体に関して学んでいただくことで、お金の運用に対してより能動的で責任を持った行動がとれるようになります。

仮想通貨はMicroMoneyの重要な部分となります。スマートフォンでのウォレットや、仮想通貨でのマイクロクレジットといったことは未来そのものであり、我々はこの分野の第一人者になれたらと思っています。まだまだ伝統的な手法でマイクロファイナンスを行う事業者が多い中で、MicroMoneyはその方法論を再考し、新たなモデルを構築できればと考えています。

MicroMoneyのICOが終わってからは、トークンの上場作業が待っていた

anton micro money ceo

アントン:
ICOが終わってからは、トークンを取引所に上場させるという作業に取りかかりました。しかし多くの取引所はお世辞にも誠実とは言えないものです。これらの取引所は拝金主義で、上場には多くのトークンが必要となり、問い合わせに対する返答はとても遅かったりします。とはいえ、ボグダンは取引所との交渉にも長けており、彼の働きもあってMicroMoneyのトークンは8つの取引所に上場を果たしています。

成功を見た周囲がサポートを依頼

これを見た我々の友人は、ICOをサポートしてほしいと依頼してきました。こうして今年の1月には5〜10件くらいの依頼がありましたが、口コミで広がり、やがて依頼件数は50件を超え、現在は400件以上の依頼がきています。

また、彼らが口を揃えて言うのが、「流動性をもたらしたい。マーケットメイクを行いたい。」ということです。そこで我々はある2人のPythonプログラマーに依頼し、Python上でアルゴリズムを作ってもらい、マーケットメイクのための自動トレードシステムを開発しました。トークンを上場してそれで終わりではないのです。流動性を提供しなければ、トークン保持者がトークンを適切な価格で売ることができません。我々のマーケットメイクサービスでは、トークンの取引量が安定するようサポートします。
とは言え、私はMicroMoneyの代表でもあり、まさにそのICOを昨年終えたところです。私はMicroMoneyの事業に集中したいので、こうしたサポート業はボグダンに任せています。

記者:アントンさん、ありがとうございます。ご自身の成功から周囲のサポート依頼が入り、サポート事業立ち上げへと至ったのですね。
ではボグダンさん、アントンさんと一緒に仮想通貨業界でビジネスを行うに至った経緯を教えていただけますか?

ボグダン(通称ダン):
私は大学で「アジア・太平洋地域における外交政策」を専攻し、オーストラリアの外交官になることを目指していたのですが、最終的には銀行業界に入り、株式市場の大口顧客を担当するファイナンシャルアドバイザーとなりました。その後、オーストラリアの財務省に入り、しばらくしたのちに仮想通貨を知り、その革新性に魅了され、深く探求しようと思いました。

bogdan khomenko platinum listing

その過程でアントンと出会えたのは幸運でした。仮想通貨に関わり始めた頃でしたが、ある日Linkedinにアントンからメッセージが届いたのです。でも私は普段Linkedinをあまり見ていなくて、メッセージに気付いたのは7日間経ってからでした(笑)「ダン、一緒に働かないか?」という内容で、彼はその時ロンドンにいたので、まずは電話をし、とても建設的な議論ができました。MicroMoneyにアドバイザーとして入ってほしいという打診を受け、私自身もプロジェクトにおもしろさを感じていましたし、アジア地域におけるマイクロファイナンスを学んでいきたいと思ったので、加入することにしました。

仮想通貨の世界は階級がなく平等

anton and bogdan

アントンや他のチームメンバーたちとのビジネスはとても有意義です。MicroMoneyはとても良いチームで、従業員も含めみんな真摯で、会社には透明性があります。アントンが温かく良い雰囲気でチームを束ねてくれていますが、これはとてもユニークなことです。なぜなら政府や銀行で働いていると、そこには強固な階級社会があり、平社員が立場を超えて上級社員に話しかけることはできません。しかし仮想通貨業界では、こうした壁は全て取り除かれており、透明性があるのが特徴です。投資家もプロジェクトのファウンダーに直接質問を投げかけることができます。通常のIPOでは、投資家がCEOに直接話しかけるなんてことは絶対にできず、秘書や事務員に用件を投げかけ、彼らが答えるという形です。ということで、私にとってもMicroMoneyを通じて仮想通貨の世界に関われるのはとても良い経験になっています。

アントン:
ダンは当時まだ自分の仕事があったにも関わらず、徹夜で私たちのプロジェクトを手伝ってくれました。

ボグダン(通称ダン):
そうでしたね(笑)一日24時間週7日働きましたよ。妻はあまりご機嫌ではなかったですけどね(笑)でも良い経験でした。特にICO期間中、11月は大変でしたね。当時は市場でも熾烈な競争がありました。今もそうですが、当時は全てが新しく、また状況が違ったのです。
韓国や日本、アメリカの投資家から非常に高度な質問も多く受けましたし、私たちはそれらに正確に答えねばなりませんでした。間違ったことを答えると、法的な問題になりかねないですからね。

anton and bogdan

アントン:
ダンはたくさんの投資家ネットワークを持っていて、特に韓国、タイ、日本、あとはオーストラリアやインドネシア等がありました。実のところ、ダンのおかげで多くの資金を集めれたという事実があります。トークンを売るのは日用品を売るのとは違い、なぜ投資に値するのか、この事業で我々は何をやりたいのか、ということを説明しなければなりませんからね。彼はそのプロセスに大変長けていました。

ボグダン(通称ダン):
アントンが良いポイントを指摘してくれました。一連の経験から見ても、今日の仮想通貨市場は投機的な動きで溢れています。人々は論理的ではなく、投資してその次に考えることは売るということのみです。そこに過度な期待を抱く人々もおり、投資すれば2倍や3倍になると言います。しかし運営側がそれを言うのは法律に触れる行為であり、その発言をスクリーンショットで撮られて法廷へ持っていかれると会社にとって大変不利な結果を招きます。

仮想通貨事業者を正しく教育する学校を設立

anton and bogdan

そこで、学校を作るという私たちの構想は必須のものだと考えています。例えば、セールス担当者やマーケティング担当者を教育し、どこまで言っていいのか、何を言ってはいけないのかを教えるべきです。日本、韓国、オーストラリア、アメリカ、それぞれみんな投資家の考えは異なります。各地域の投資家たちの特徴を捉え、どのように意思疎通すべきかを熟知することが、ICOを成功させる上で重要なことです。
こうした要素も含めて、私たちが作る学校では斬新なカリキュラムを組んで、どのようにICOを執り行うべきかということについて、法的要素も踏まえて注意深く教えることを目指しています。

自社の従業員を育てる過程が学校構想の始まり

学校構想の発端は、マイクロマネー内の従業員たちを教育する必要性に直面したときでした。当時私たちの組織には、教えることに長けた人材もいましたので、ある種の教育部門を作り、マーケティングや販売の方法を教えたのです。この過程でアントンと議論し、教育プラットフォームを作ることができれば、多くの新たなICOを手助けすることができると考えるに至りました。また、一般的なトレーダーにも、仮想通貨及びブロックチェーンについてさらに深く学んでもらうことができます。
ということで、私たちの学校は、『University of Blockchain and ICO』といいます。

学校では、
・セールス担当者用コース
・マーケティング担当者用コース
・テクニカルアナリスト用コース
・エグゼクティブマネージャー用のコース
・ICO発起人用コース
・ブロックチェーン初心者コース(一般の方向け)
等があります。
これらのコースでは、我々が提供する知見を学んでいただけるだけでなく、仮想通貨業界で広く知られたスペシャリストたちを招いて、彼らの経験をシェアしてもらい、話を直接聞いてもらうことができます。この大学では、多くの人々に仮想通貨を専門家から直接学んでもらうことができるのです。

アントン:
多くの人がブロックチェーン業界で成功を得られると思います。経済的な成功だけでなく、優れた製品を作るという意味の成功です。なので私たちは人を繋げます。知識が欲しい人と、知識をシェアしたい人です。
学校ではオンラインとオフライン両方のコースを提供する予定です。オンラインコースは不特定多数に向けたもので、オフラインコースはより高度な授業を提供できるものです。やはり、教育においても、実際に人とあって Face to Face で話すことが重要であり効率的ですからね。

講師の派遣も可能

ボグダン(通称ダン):
我々の学校からは講師を企業に派遣することも行います。例えば日本の企業が仮想通貨のノウハウを学びたいとして、しかし従業員を学校に送るのが難しい場合、我々のスタッフが企業に出向し、企業内で教えます。プロジェクトマネージメントやコンサルティング等多くの分野がありますが、いずれにせよいかにしてICOを成功させるかを教えます。

ヴィタリックと話し、Solidityのエンジニアを育てることに

anton and bogdan

アントンはSolidityのエンジニアを育てる場を持ち合わせています。世界にはSolidityを扱えるエンジニアが1,200人しかおらず、そこでアントンはヴィタリックに会ってこの問題について話し合ったのです。

アントン:
そう、先日ヴィタリックと会いました。今MicroMoneyにはSolidityを扱えるエンジニアが2人いるのですが、「うちのエンジニアを育てるコースを探しているのですが、Solidityを学べる場はありますか?」と彼に聞いたところ、「Ethereum Foundation が資金をだしますから、これとこれとこれのコースを受けてください。どうぞSolidityエンジニアを育てるために使ってください。」と答えられ、私は驚きました。Ethereum Foundationがお金をだしてくれると言うんですからね。まさに、仮想通貨を一般層へ普及させるには、マーケターを育てるだけでなく、エンジニアも育てなければなりません。
ヴィタリックは技術者を育てることに熱意がありましたね。もし私が、「ヴィタリック、ICOをするためにお金がいるんだ」と言ったら、相手にされなかったでしょう(笑)しかし、チームを育て、エンジニアを育てるためであれば、協力したいという姿勢でした。
そうして我々はエンジニアをサンフランシスコに派遣し、Ethereum Foundationがその費用を負担してくれています。

ボグダン(通称ダン):
改めてになりますが、なぜ教育をやりたいかというと、例えばヴィタリックのような人は、教育の重要性を理解しています。仮想通貨は良いものですが、今は投機で溢れています。教育は最も重要なパートです。教育を行うことで、一般層にも仮想通貨を正しく伝えることができます。仮想通貨に対する理解が何もなかったら、テレビのニュースでその名前を聞くだけで、その本質や、なぜ仮想通貨が存在するのかという部分を理解してもらうことは難しいでしょう。これは社会にとって大きな問題です。教育が施されなかったら、人々は仮想通貨が何かということを考えず、単にトレードとポンジースキームに乗っかるだけなのです。

anton and bogdan

あと4週間ほどでプラットフォームをローンチする予定で、今実は日本の友人たちに生徒としてテスト利用してもらっています。彼らの従業員を教育し、コンサルティングし、我々の持つ様々な知見を提供します。こうしてプラットフォーム全体を試験運用して、これが完了したら、公にローンチする予定です。ウェブサイトはまもなく完成予定で、教材や講師も現在準備中です。

ちなみに私の担当は『ポストICO(ICO後)』というコースです。このコースでは、ICOを終えた後、いかにプロジェクトを成功へと導くかを教えます。例えば、取引所への上場、流動性の確保、ICO後のマーケティング手法、いかにトークンの需要を生み出すか、等の内容があります。多くの企業やトレーダーが、上場後数週間での値上がりを期待しています。しかしその期間が過ぎると価値は大きく下がります。例として、Riseというブロックチェーンプロジェクトがありますが、2ヶ月前に5億ドルの取引量があったにも関わらず、今は24時間あたりたったの1,000ドルの取引量しかありません。とても悲劇的なことです。完璧な会社で、完璧なチームなのですが、単純にトークンの需要を生み出す術を知らなかったために、このようなことになってしまうのです。なのでポストICOについてこうしたチームに教育を施すことはとても大変有意義なこととなるはずです。

記者:ありがとうございます。とても重要なプロジェクトです。仮想通貨市場の健全化へ向けた大きな役割が期待できますね。
それでは最後に、そんな仮想通貨市場の未来について、お二人のお考えをお聞かせいただけますか。

anton micro money ceo

アントン:
今仮想通貨市場は冷え込んでおり、難しい局面を迎えています。人々は投資したことを後悔し始め、政府は規制に乗り出しています。こう見ると、たしかに今は良い時期ではないかもしれませんが、しかし一度吹いた風を止めることはできません。政府が仮想通貨を嫌おうと、仮想通貨は自由を与えてくれますから、人々はこれを使っていくでしょう。
昨今、コミュニケーションをとることはとても簡単になっています。昔、政府はボーダーをつくることで人々をコントロールすることができていましたが、今や私たちは簡単に意思疎通を図ることができ、ボーダーなんてありません。ですので、仮想通貨が一般層に広く使われるようになるのは、時間の問題だと言えます。もちろん、過度なボラティリティ(価格変動)はありますが、3年・5年先という未来を見ると、市場は成長し、現在全人口の1%未満しか使っていない状況に対して2%や3%の人々が使うようになるでしょう。価格は上がり、安定します。

そして、もっと多くの競争が起こるべきだと思います。一般層への普及を達成するには、様々な競争相手が必要です。今はまだギークたちにしか使われていない状況ですが、主婦やおばあちゃんにも使われるようにしなければなりません。もし彼女たちが仮想通貨を使うようになれば、ブルーカラー(労働階級)も使うようになるでしょう。そうすれば、革命が始まります。

記者:なるほど。とても有意義なご見解をありがとうございます。アントンさんはこれからも、仮想通貨業界で働いていかれるご予定ですか?

アントン:
そうですね、長期的に関わりたいと思っています。でも、人生ずっと仮想通貨をやるということではないですよ。これは、地球に住むために呼吸したいと言うのと同じです(笑)
私は人生の幸福を向上させたいと考えています。仮想通貨抜きでは、それは不可能でしょう。

記者:ありがとうございます!
ではダンさんは、これからの仮想通貨をどうお考えですか?

ボグダン(通称ダン):
ブロックチェーンは、金融業界や政府に存在する様々な問題を解決します。ブロックチェーンは完全に透明なシステムなので、汚職も排除することができるでしょう。
私は金融業界や政府で働いてきた経験を通じて、これからも仮想通貨は存続すると考えているのですが、その理由は、今世界はとても中央集権化されており、人々はそれに疲れてきているからです。私たちにはもっと自由と透明性が必要で、仮想通貨はまさにそれを提供するものです。そしてアントンが言ったように、業界には競争が必要で、多くの企業の参入が求められます。スタートアップ企業だけでなく、従来のビジネスを行う古い企業も参入することで、彼らが仮想通貨業界の価値を理解できるはずです。実際、多くの企業が理解し始めており、仮想通貨は若者世代が考える新たな方法論として認識され始めています。

2ヶ月前、アメリカ上院議会と証券取引委員会の会議で、ある上院議員が次のように発言しました。
「私は古い人間で、紙と鉛筆を好み、株式を紙媒体で確認したいタイプです。しかし若者や子どもたちは仮想通貨が好きで、私は仮想通貨のことがわからないものの、子ども達が世界がまだ見たことのない新しいものを創ろうとしていることに素晴らしさを感じています。」

私はアムステルダムでカンファレンスに参加したくさんのスタートアップを見ましたが、人々の生活を改善することができる、ユニークなソリューションがたくさんありました。例えばブロックチェーンで医療情報を共有できれば、日本の歯医者でレントゲンを撮った患者が、そのままアムステルダムの歯医者で手術を受けることもできるのです。つまり、ブロックチェーンは様々な問題を解決できます。

今はまだ黎明期だと言えます。価格変動は大きく、投機的な動きで溢れています。しかし価格変動は排除すべきで、安定性と一貫性をもたらすべきです。それは、古いお金が仮想通貨市場に流れたときに初めて達成されるでしょう。つまり、投機的なお金ではなく、実測に基づいたお金ということです。それには時間がかかると思いますが、3年や5年、あるいはどれだけかかろうと、いずれその域に達するでしょう。

記者あとがき

アントンとボグダン、リアルビジネスの世界から仮想通貨業界に飛び込んだ二人が手がけるサポート事業・学校事業は、玉石混合となっている現在の仮想通貨市場で大きな期待が寄せられる。
二人が推めるビジョンとアイディアに期待するとともに、我々も一歩広い視野をもって仮想通貨市場を見つめていきたい。

anton and bogdan

 

インタビュー・執筆
ルンドクヴィスト ダン


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