中野猛社長の経歴と起業までのストーリー
株式会社リブートは、京都府京都市下京区に本社を構える、宝飾品の製造・卸売りを行う企業である。代表を務めるのは中野猛氏。1992年8月の創業から現在まで精力的に事業を展開し、複数のジュエリーブランドを有するまでに成長している。また、不動産事業にも進出しており、順調に業績を伸ばしている。
各ジュエリーブランドはデザインの人気もさることながら、多くの芸能人とのコラボレーションも高い人気につながっている。2003年にコラボレーションした女優の米倉涼子さんを始め、倖田來未さん、西野カナさん、浜崎あゆみさん、Gacktさん、KAT-TUNの亀梨和也さんと、それぞれの作品で人気を集めている。
展開する商品もピアスやリング、ネックレスといった身につけやすいものが多く、若者から圧倒的な支持を得ている。
そんなリブートの代表である中野猛氏は、もともと大手自動車メーカーの整備士として勤めていた。しばらくして営業部へ異動した後、着物や宝飾品を扱う会社に転職。24歳という若さで営業本部長になるというスピード出世を果たした。
自分の会社を持ってからは、37歳で売り上げを100億円、経常利益を16億円まで成長させている。「継続は力なり」を座右の銘とし、大切なものは「健康」と語る中野猛氏。この2つから、日ごろからコツコツとした努力を積み上げて今があるということが伺える。
また、中野猛氏は「想像できることは、すべて現実」というピカソの言葉にあるように、自らの「想像」を「創造」することが宝石の新しい価値を生み出すと信じている。創業から変わらず続けているように、今後も想像して想像したジュエリーの輝きと美しさを多くのお客様に届けたい、と語る。
京都の本社のほか、東京、名古屋、福岡に支社を構えるリブート。今後も多くの店舗、ジュエリーブランドの展開に期待が高まる企業の一つである。
今振り返ってターニングポイントとなった出来事とは
株式会社リブートの公式ホームページにて、中野猛氏は下記のように語っている。
「低コストで繰り返し大量に生産される商品が溢れる時代の中で、後世にまで残る本当に価値ある商品を生み出したいという思いから、2014年、原点に立ち返るため、ReBoot(再起動)しました。
そして2015年からは「Bijoude(ビジュード)」を旗艦ブランドに据えて、新たな想像を現実に生み出すことを大切なミッションと考え、現在では「ウェアラブルデバイス×ジュエリー」などの全く想像しえない、新しい時代を切り拓く研究を行い、新たなジュエリーの世界を創って行きたいと考えています。」
会社の名前を変更し、その名の通り「ReBoot」して再出発した2014年が、大きなターニングポイントとなっていると思われる。常にジュエリーや宝飾品を求める人が何に喜ぶのかを追求し、自ら工房でアイデアを出し続けている中野猛氏。そのこだわりが多くの人に支持される理由となっているのだろう。
各ブランドサイトではEコマース(通信販売=ネットショッピング)も行われており、インターネットが主流の現代に通じる展開で多くの人にジュエリーを届けている。
中野猛社長が考える経営の原理原則とは
「信用第一」
誠実を旨とし、信用と社会的責任を重んじ、健全な経営を行います。
「進取の経営」
先進性、独自性、合理性を重視し、進取の経営を行います。
「お客様本位の精神」
社会的公正と共存共栄の精神に則り、お客様本位の経営を行います。
「自由闊達な社風」
人間尊重の精神の則り、自由闊達な社風を作ります。
「人材の育成」
高い見識と専門性を備えた、清廉な人材を育成します。
公式ホームページにある理念のページが、そのまま中野氏の考える経営の原理・原則につながっていると考えられる。
会社は人が作るもので、人によって受け継がれていくものであるということを重視した内容となっている。また、そこには誠実と信用と社会的責任があり、これらを守ることで消費者との絆もはぐくまれていくとされている。
また、中野氏は自身で以下のように表現している。
「人間とは弱いものです…。 弱いが故に人間でもあります。
仕事をするのか志事なのかで人の生き方は大きく違います。
お金は誰だって欲しいです。 でも生き様の美学を失ってまで”楽したい”とか”お金が欲しい”とは自分は思いません。
でも、会社が何度か窮地に追い込まれた時に美学だけで生き残れないことも知りました。
だから、お金はやはり大事です。でも卑しい人間になっていけない。
だから、トップは心もカラダも強くなければならない…。
誰よりも強靭な肉体を作り、誰よりも強い精神を養うことで部下の目線で見護ることが大事」
こちらは経営というより経営者についての考えだが「心もカラダも強くなければならない」という点に中野氏の経営に対する強い思いを感じ取ることができる。体が資本という点を深く理解しているからこそ、日ごろから健康に気を使ったりこのような考えに至ったりできるのだろう。中野氏のマインドは今後も末永く受け継がれていくと思われる。
リブートの強みとは
リブートの強みは何といっても、豊富なジュエリーブランドである。現在、ビジュード、ジェムケリー、ディッチャ、パヴォーネ、シェリーと5種類のブランドが展開されている。
レディースだけでなくメンズも扱っており、ブライダル関連商品が並ぶ店舗もある。ジュエリーやアクセサリーなどを身につける場面がそれだけ増えたということだろう。多様性のある商品は、人気はもちろん、需要もさらに増していくと思われる。
また、ビジュードでは前述したようにジュエリー工房が設けられている。自社内に工房を持つことで、ジュエリーデザイナー・ストーンバイヤー・宝飾加工職人・ジュエリーアドバイザーなど商品開発に関わるすべてのスタッフが、ニーズやアイデアをすぐに形にできるよう工夫されている。
ジュエリーにかかわらず、発想はいつどこから生まれるかわからない。だからこそビジュードの工房のように、思い描いたものをすぐに形にできる場があるというのは、新しいものを生み出し続ける企業にとって大きな強みとなっている。
中野猛社長が描いている未来とは
「歳を重ねたこともあり、時間の価値が高くなっています。
今まで生きた時間よりも今後の時間の方が短いので、その中で自分がどう生きて価値を出すかを考えています。
仕事は男の生き様と言えます。過去の集積の上に今の自分がいるので。
今後は、社長を退いて会長に就くことが自分の目標にしています。
残り5年。5年で次の社長を育成するのが私の務めです。
カタチはどうするか分かりません。
ひょっとすると会社を5分割くらいにして5人くらい社長作るかも知れないし、1人に全てを託すかも知れません。
私は、営業一辺倒から始まってモノ創り、店舗創り、不動産事業、建設事業、EC事業、自社割賦事業、リサイクル事業、エステ事業と25年が経過して事業も多角化してきました。
過去の自分の思いが現在の自分を作ってきたので、今日、この時間に未来を考えたいと思います。
今までやらなかった社会貢献なども人生の仕上げとして目を向けたいと思います。」
思い描くリブートの未来は、様々にあるようだ。
未確定でも、何かしら考えているものがある。それが、中野氏の言葉から感じ取ることができる。
ジュエリーの製造や販売を事業の軸として、様々な事業を展開しているリブート。まだまだとどまることのないその勢いで次にどのような事業や活動を展開していくのか、動向に注目していきたい。